私はプレゼンテーションのプロではなく、この記事に書かれているのは単なる一理系学生出身者の経験談から出来上がった話です。
私の学生生活において最難関とも言えるプレゼンテーション。
それをどう解決していったか、というお話を紹介したいと思います。
教授達の言葉
「自分の研究なんだから、自分の言葉で説明できないのはおかしい」
これは学部生時代、複数の教授から聞いた言葉です。
この言葉は一見して「まぁそりゃそうだよね」で片付いてしまいそうなものです。
しかし、この言葉の真の意味に気づいた時、私のプレゼンテーション能力は飛躍的に跳ね上がりました。
それについて、従来の方法と新たなる方法、そしてスライドの作り方について少し書いていきたいと思います。
従来の方法
- 発表しようとする研究範囲を決め、内容を文章で要約する。
- 要約した文章をまとめて、発表用の原稿を作り上げる。
- 原稿の内容に沿ってスライドを作っていく。
- あとは原稿の暗記との闘い。
この作業の一番大変なところはやはり4になると思います。
発表当日まで、原稿どおりスラスラ喋れるようにと練習を繰り返す人も多いと思います。
その結果、発表本番では原稿の思い出しで脳内はいっぱい、スライドを指すポインターは荒れ放題です。
原稿が頭から飛んでしまった日には即終了、という恐怖にかられながらの発表会になってしまいます。
そして最後に待ち受ける質疑応答では、しどろもどろの回答になりがち。
私はこの方法を極めるしかないと思っていたため、プレゼンテーションに対する苦手意識が最大化されたものと思っています。
では、どういう方法に切り替えたのか?それを書いてみます。
新しいプレゼンテーション手法
- 頭の中で必要なスライドをイメージする(背景目的に2枚、実験に1枚、結果に2枚…といった感じ)。
- 必要なスライドを作っていく(作り方について思うことは後述)。
- 各スライドについて、説明するポイントを箇条書きでまとめる。
- スライドを見ながら説明する練習を重ねる。
見ての通り、原稿の暗記は必要ありません。
ポイントになるのはまず1です。
これが頭の中で作れないという事は、自分がどんな目的で、どんな研究活動を行って来たかを把握できていない、ということになります。
学内の発表にしろ学会発表にしろ、研究が一区切りついた(もしくは区切った)時点で発表に臨むことになります。
その時点で、自分が何をやっているかわかっていない、というのは研究活動をする上で致命的ではないかと思います。
そして多くの学生が発表に対して
「研究について全部説明しなければならない」
という使命感のようなものを抱えがちなところ、そこは発想を転換して
「単に自分がやっていることを紹介する機会」
という捉え方をして発表に臨むのが、緊張緩和の面でもいいのかもしれません。
そうやって自分の研究活動を俯瞰することが、自分が行っている研究活動への理解の深まりにもつながります。
そして、自分の研究を理解した状態で発表を迎えれば、質疑応答など怖いことはありません。
単純な疑問の質問には自分が知っている事を返せばいいし、まだ進んでいない先の話が出てきたら「今後の検討課題」という旨の返答ができます。
次に、スライドの作り方について少し書きたいと思います。
効果的なスライドの作り方
気をつけるのは「詰め込みすぎない」ことです。
他の人のプレゼンを聞いていて思った事はないでしょうか。
「字が小さくて見えない。1枚の情報量が多くて読み切れない」
こういった事態を避けるため、見やすいスライドを作る必要があります。
実は、研究内容全てをスライドに載せる必要はないのです。
例えば実験結果より6つのグラフが得られたとします。
それのうち特徴的なもの1つか2つを選んでスライドに載せれば十分です。
6つ全てのグラフを載せるのは、論文として発表する時にやればいいことです。
作ったスライドが見やすいかどうかについては、少し離れた所からでも文字が見えるかどうか、短時間で読み切れる情報量になっているかなど、見る側の視点に立って考えてみるのがいいかもしれませんね。
まとめ
従来の方法で必要としていた準備期間は数日から数週間、新手法で要した時間は数時間です。
発表は全ての情報を詰め込む場ではなく、自分のやっている事を紹介する機会と捉える方が前向きな気持ちで準備も進むと思います。
「自分の研究なんだから、自分の言葉で説明できないのはおかしい」
この言葉が意味するのは「覚える」から「理解する」への変遷だったのです。
それが見えてきた時、あなたのプレゼンテーション能力は劇的な進化を遂げるかもしれません。

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